ふっくら、ふくよか。
粒のたった、ぴっかぴかでほっかほかの新米を口いっぱいに頬張った瞬間「ああ日本人に生まれてよかった」と得もいわれぬ幸福感に包まれる。
今年もまた、日本人のDNAに深く刻まれた、このルーティンの季節がやってまいりました。
内陸性で盆地が多く昼夜の気温差が大きい信州は、言わずと知れた米どころ。軽井沢に程近い佐久、東御も信州が誇るブランド米の産地です。稲作が盛んなこの地域には街のあちらこちらにのんびりとした田園風景が広がり、目でも米を味わせてくれます。
そんな米どころ信州でもっとも多く栽培されている品種といえば、泣く子も黙る、あの『コシヒカリ』
市場への流通が少なく“幻の米”と称される、佐久浅科の『五郎兵衛米』や東御八重原台地の『八重原米』といったブランド米もやはり福井が生んだ、あの『コシヒカリ』なのです。
この『コシヒカリ』一強から新たな需要を掘り起こすべく、各県競い合って新しいブランド米開発に乗りだす機運が高まるなか、平成25年満を持してここ信州に誕生したのが『風さやか』
信州人が13年の歳月をかけて、本気で開発したオリジナル品種です。
その後、青森の『青天の霹靂』新潟の『新之助』といった数々の新品種が世に送り出され、今や米は料理によって炊き分ける、という新たな時代。
さて、そんな信州人渾身の作『風さやか』
しっかりとした旨みと甘みを持ちながらも爽やかな風味で、特に女性から高い支持を得ています。包容力のある優しい爽やかイケメン、といったところでしょうか。
味、香り、粘りのバランスが良いので、和のもの、洋のもの、海のもの、山のもの、どんな料理も受け止めてくれます。
『コシヒカリ』が米そのものを味わう主役だとすると『風さやか』は料理を引き立てる名脇役。
出しゃばりすぎず、でも控えめすぎず、後味はさっぱりというより、爽やか。
ブッフェでは朝夕ともに、この信州期待のルーキー『風さやか』を使用しております。
持ち味の軽やかさは、様々な料理と合わせることでその個性が際立ちます。
まずははやる気持ちを抑えてお好みの料理をじっくり選び取り、次にその料理を躊躇なく口に運ぶ、そこですかさず追っかけ飯。
何杯でも思う存分おかわりして下さい。
不思議と、腹八分目を優に超えても、するりと胃に収まっていくことでしょう