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旧軽井沢/旧軽井沢アネックス

2021/08/12

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「鮎」

 

ほろほろの身に上品な香り。

気品ある内臓のほろ苦さ。

 

初夏、新緑が爽やかなこの季節に旬を迎える鮎。

清々しい香りを纏った清流の女王は、今が旬の出盛り。

走りの鮎より一層香りが増し、独特のコクが深くなる。

鮮烈な味わいににんまりするなら、まさにこの時期。

 

古くは奈良時代、古事記や万葉集にも登場する鮎。人を惹きつけて止まないその繊細な味は、かの食通北大路魯山人が愛したことでも知られています。

また、美味なだけでなく栄養価にも優れていて、カルシウムは真鰯の3倍、ビタミンB12に至っては鮎1尾で1日に必要な量が摂れてしまうほど。さらに内臓には活性酸素を抑え免疫力を高めるビタミンAがたっぷり。健康にも美容にも良いとなれば、鮎好きでなくても思わず食指が動いてしまいます。

 

魯山人は一番美味しい鮎の食し方を「はらわたを抜かず、塩焼きにして、火傷するほど熱いものに蓼酢を絞ってかぶりつくこと」と言い残しています。

ぐうの音も出ない説得力ある言葉ですが、7・8月の「瑞」では、試行錯誤の末この時期の雅やかな鮎を骨まで味わい尽くせるよう、趣向を凝らし春巻きにいたしました。

パリパリの春巻きの皮としっとりほろほろの身と骨、そして内臓の苦味。これらを、ぴりりとした美しい緑の蓼酢が軽やかにまとめ、食べ進めるほどに深い余韻が広がる一品に仕上がりました。

真夏にぴったりな、よく冷えたビールと合わせると、この時期ならではの深みのある内臓のほろ苦さに、奥行きと甘みが加わります。

 

晩秋、命をつなぎ僅か一年の短い生涯を終える鮎。初夏から晩秋まで、刻々と変わりゆく鮎と季節をその時々で味わう愉しみも、鮎ならではの魅力。

 

今月限りの妙味。

熱々にかぶりついて、にんまりして下さい。


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